mmyy-yokoのブログ

悲しみの淵から

映画 ドライブ マイ カー より

ワーニャ伯父さんと姪ソーニャの会話


〉ワーニャ

なんて辛いんだろう…


〉ソーニャ

仕方ないの

生きていくほかないの

生きていきましょう

長い長い日々と

長い夜を生き抜きましょう

運命が与える試練にもじっと耐えて

安らぎがなくても

今も  年を取ってからも

ほかの人の為に働きましょう


そして最後の時がきたら

大人しく死んでゆきましょう

そしてあの世で申し上げるの


あたしたちは

苦しみましたって

泣きましたって

つらかったって

そうしたら神様は

あたしたちを憐れんでくれるわ


そして伯父さんとあたしは

明るくてすばらしい

夢のような生活を目にするの

あたしたちは嬉しくて

うっとりと微笑みを浮かべて

この今の不幸を振り返る

そうしてようやくあたしたち

ほっとひと息つくの


あたし  そう信じてる

強く心の底から信じてるの


その時がきたらあたしたち

ゆっくり休みましょうね

私が生きる理由

息子が亡くなる前日まで、

10年近くフルタイムのパートで事務をしていたが、

あの日から、

家から出られなくなり、

パートを急きょ辞めさせて貰った。


今は、

食べて寝て、最低限の家事のみ。

生きる事を楽しめず、

時折襲う不安と、悲しみの波の中で

もがきながら生きている。


生きる価値を考えると、

主人と、娘の為。

もうこれ以上の苦しみを二人に背負わせる事は、死んでも出来ない。


それでも、時折、死んでしまいたい、楽になりたいとささやく声が聞こえる。

そんな葛藤が、この先もずっと続く事だろう。

こんな私でも、生きてるだけで安心してくれる二人の為に生きてみる。


あの子の為ではなく、

今、生きている二人の為に

天に召されるその日までは生きてみようと思う。

いつかあの子に会えたら、

待たせてごめんと、謝ろう。


どくどくと血を流しながら、

この先一年、二年、十年…いつになるのか分からないが、

最後まで、生きてみようと思う。

一周忌を終えて

まだ一年、もう一年、

どうでも良い。

あの時から、

私の中の時計は止まっている。

時間だけは過ぎているみたいだけど。

あれからは抜け殻。

それで良い。

涙は尽きない。

抜け殻から、

どくどくと涙だけが溢れ出る。

何も、誰も、

空いた穴を塞ぐ事は出来ない。

何をしても喜びを感じられず、

ただただ時間だけが自分の周りを

サラサラ流れて行く。

何を食べても同じ味がして、

生きながら死んでいるような感覚。

時に、

生きる価値はと自身に問いかける。

答えの無い禅問答。

荷物は重く、それでも歩き続けるしかないという。

頂上の無い山を登り続けるように。